ナナト自閉症であると診断されたのは、3歳10ヶ月の時でした。
1歳から療育グループに通い、2歳で検査の予約をしましたが、検査は1年待ち。
1年経った頃には、私が双子を妊娠し。
絶対安静の身になってしまい、予約をズラしていただき。
ナナトとの生活が安定したところで検査をしていただきました。
検査名は、田中ビネー式知能検査V。
ナナトはこの日、とても調子が良く。
普段よりとても落ち着いていたと思います。
診察室は初めてでしたが、機嫌よくおしゃべりをしていました。
視線はふわふわとしているものの。
ドクターのお話をおうむ返しするなどしながら、ドクターの方に注意を向けていました。
丸を描いてと言ったら丸を描いたり、二語分の復唱が出来たりと。
私が思っていた以上に、出来た課題も沢山ありました。
よく検査で、いつも出来ているのに、検査では出来なかったという話を聞いていましたが。
ナナトは、ベストを尽くしたと思います。
もしかしたら、追いついてる?
そんなささやかな期待をしてしまうほど。
ナナトは明らかに成長していました。
でも結果は。
知能年齢2歳9ヶ月。
実年齢より、1年以上もゆっくりとした水準でした。
知能指数は、72。
以前簡易検査をしていただいた時より、随分と差が開いていました。
検査が終わると、ドクターが、
言葉がとても増えていますね。
精神的にも、とても安定しているように伺えます。
今の幼稚園が、ナナトくんにとても合っているのだと思いますよ。
これからも、療育は受けずに、幼稚園のみで大丈夫だと思います。
言葉の教室も必要ありません。
幼稚園で沢山の刺激を受けることで、これからもナナトくんはどんどん伸びていくと思いますよ。
今から追いついていくと思いますから、この72という知能指数も、上がっていくと思います。
ではナナトくん、今日はよく頑張ったね!
と話して下さいました。
ドクターは退室する準備をしています。
え?
ナナトは結局、自閉症なの?
診断名はつかないの?
今は1年差がありますけど、幼稚園行ってれば、いつか追いつきますよって話?
一瞬、ほんの一瞬だけ。
期待してしまいました。
でも。
いやまさか。
そんなはずない。
ちゃんと聞かなきゃ。
そう思い直しました。
先生、息子は診断名はつかないのでしょうか?
勇気を振り絞って聞いてみると。
診断名?
お母さんはこの子が何と診断されると思ったのですか?
と聞かれ。
自閉症スペクトラムではないかと思っています。
と、迷わず答えました。
自閉症スペクトラム。
自閉症スペクトラムというのはね。
ここから、ドクターによる、自閉症の説明が始まります。
先生、もう分かってるんです。
自閉症スペクトラムがどんなものかは分かってるんです。
息子がそうなのかどうかを知りたいんです。
と思いつつ。
黙ってドクターの説明を聞いた後、もう一度きりこみます。
それで先生、息子は自閉症ですか?
ドクターは、はっきりと言いました。
はい、自閉症スペクトラムです。
結局自閉症なんかーーーい。
このやりとり何??
これ絶対。
あ、この子は自閉症じゃなかったんだ!
いつか追いつくんだ!
って勘違いして帰っちゃう親子居ますよね?
オブラートに包みすぎ!
伝え方が難しいんでしょうけどね。
絶対分かりづらすぎます。。。
あまりに分かりづらすぎて。
ショックを受ける暇もなくて。
自閉症だと診断される時って、みんなこんな感じなのかなぁ。
と、なんだか拍子抜け。
ナナトが自閉症だと診断された実感が、全く沸きませんでした。